カタログギフトとは?

カタログギフトとは贈られた側が選べるギフト。その仕組みや使い方、人気の理由を徹底解説

公開日:2021-07-29
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カタログギフトとは、贈り主が商品を選んで贈るのではなく、贈られた立場の方が商品を選ぶことができるギフトサービスのひとつです。贈られた方(贈り先様)はカタログの中から好きな商品を選ぶことができるため、合理的で実用性の高いギフトとして長年、人気を博してきました。この記事では、カタログギフトの仕組みやメリット、そして、カタログギフト元販売員として思い描くカタログギフトの未来の姿にまで突っ込んだ話をしたいと思います。

カタログギフトの誕生は1980年代。30年以上愛されてきたギフトスタイル

カタログギフトの歴史は、なんと1980年代後半までさかのぼります。1987年にギフトの老舗シャディによって開発されたと一般には言われています。開発元については諸説ありますが、カタログギフト業界大手のリンベルが1987年に創業していたり、ハーモニックが1992年にカタログギフトの販売を開始とありますので、およそ30年の歴史というのは間違いないでしょう。

開発されてから30余年。これまで新しいギフトスタイルとよく言われてきましたが、もはや、一般的なギフトとして受け入れられたと言っても過言ではありません。元カタログギフト販売員の感覚としても、30代・40代・50代の方はカタログギフトを実際に貰った経験があると仰ることが多いですし、カタログギフトというギフトの形が広く認知されるようになったと感じます。最近では60代・70代といった年配の方の利用者も増えており、年々市場規模を拡大させています。

カタログギフトの人気の理由は、仕組みが合理的で実用的だから!

カタログギフトの人気の理由は、なんといっても合理的な仕組みにあります。

通常のギフトスタイルでは、贈り主と贈り先の双方がそれぞれ悩みを抱えがちでした。例えば、贈り主の方は「何を贈ったらいいのか分からない」「ギフトマナーを守れているだろうか」というギフト選び特有の悩み、贈り先の方は「欲しいものではなかった」「ブランド品をもらったけど、押し入れの奥深くに眠っている」というようなニーズの不一致による悩みです。加えて、各個人の好みが多様化している現代では、相手の望むものではないものを贈ると、断捨離だの転売だの、贈り甲斐のない結果になってしまうことも。

そうです。ギフトは難しいのです。相手に喜んでもらうというのは簡単なことではありません。だからこそ、カタログギフトは人気があるのです。カタログギフトは贈り主と贈り先様双方の悩みを解決してくれる、とても合理的で画期的な仕組みなのです!

カタログギフトの仕組み・基本的な流れと画期的なシステム

カタログギフトの仕組みと基本的な流れを理解するには、漫画形式にまとめるのが一番分かりやすいです。ひとまず、以下の漫画をお読みください。

カタログギフトの仕組み解説漫画

文字に起こしてみますと、以下の順で贈り先様にギフトが届きます。

  • カタログギフトを贈ろうと決定する
  • どのカタログギフトにするか選んで贈り先様に贈る
  • 贈り先様にカタログギフトが届く
  • 贈り先様がカタログギフトの中から好きな商品を選ぶ
  • 申し込みハガキに商品番号を記入しポストに投函、またはWEB専用サイトで商品番号を申し込む
  • 数日後、贈り先様に商品が届く
  • 贈り先様は欲しいものが手に入って嬉しい!

通常のギフト商品の場合、

  • 商品を選んで購入する
  • 商品を包装・配送して、贈り先様に届ける

という流れになります。2つを比較すると、カタログギフトの場合がとても複雑なことが理解いただけると思います。この複雑な過程を経ることで、贈り先様が欲しいものを選べるという画期的なシステムが成り立っています。

さて、ここで注目すべきは、一連の流れの中で、カタログギフトメーカーがどこまでフォロー責任を持っているかという点です。カタログギフトに起こりがちなトラブルとして、「有効期限が切れた」とか「申し込みハガキを無くした」とか「カタログギフトが届いていない」といったことがありますが、このような非常事態に陥った時のメーカーの対応がまったく違うのです。

「期限内に申し込みをしないのは贈り先様の不手際」だと見なして、一切問い合わせに応えない企業があります。この企業は、冊子のカタログギフトを贈った時点でギフトサービスは完了したと考えています。

一方、有効期限が切れてしまった場合も、問い合わせすることで商品の申し込みをさせてもらえる企業もあります。この企業は、冊子のカタログギフトを贈るだけでなく、贈り先様のもとにギフト商品がきちんと届けることを、ギフトサービスの主体だと考えているのです。

結論を述べますと、メーカーによって、ギフトサービスの内容には違いがあり、その違いを理解したうえで、商品選びをすべきだというのがMOKUの主張です。そして、メーカーは、サービスの内容を明確にすべきだと思います。カタログギフト比較ガイドの「メーカーで比較」カテゴリーでは、フォロー体制の違いにも切り込んで記事を書いています。

カタログギフトの価格内訳は、ギフト商品の本体価格とシステム料

カタログギフトの値段は、掲載商品の定価(本体価格)+システム料で決められています。ちなみに、一冊のカタログに掲載されているギフト商品の定価は一律です。

具体例をあげて説明しますと、税抜8800円コースのカタログギフトの価格の内訳が、本体価格8000円+システム料800円だとします。このカタログギフトに掲載されている商品の定価はすべて、8000円(税抜)で統一されているということです。定価8,000円の商品なんて世の中にごまんとある訳ですから、その中から数百点の掲載商品をどのような基準で選んでくるかは、メーカーの腕の魅せどころですね。

価格内訳のもうひとつは、システム料です。このシステム料は、冊子の印刷代や配送料のほか、トラブルがあった時に対応を含めたアフターフォローサービス利用料などが含まれています。多くのカタログギフトのシステム料は税抜800円の場合が多いですが、グルメ系カタログギフトの場合、税抜1000円のケースが多いです。これは、グルメカタログギフトの場合、冷蔵・クール便を使う必要があるため、送料が高くなっていることが理由だと考えられます。

逆に、システム料が税抜600円以下と安い場合もあります。これは、アフターフォローサービスが充実していないことの裏返しです。トラブルなくギフトの受け渡しができるなら問題ありませんが、万が一、申し込み忘れるとカタログギフトが紙切れになってしまうケースも考えられます。最近では、保証機能をオプションで申し込みすることで、期限後でも使えるようにするサービスを出している企業もあります。個人的には不評ですが。

カタログギフトはなぜ人気?仕組みが合理的で実用的だから!

カタログギフトには、ギフト本体の価格だけでなく、システム料もかかります。もし、ギフト本体価格だけだったら、システム料の分だけ、より高級な商品に変えることができたかもしれません。それにもかかわらず、カタログギフトが選ばれ続けているのは何故なのか。

それは、贈り相手に喜んでもらえるギフトを選べる自信がないからです。当たり前です。ギフト選びはめちゃくちゃ難しいのです。贈り相手の世代も家族構成もライフスタイルも違うなかで、欲しいものを選ぶなんて、相手のことを詳しく知っている関係性でなかったら無理ですよ。

MOKU自身はギフト選びが好きな性質ですが、それは「リサーチして全力で選ぶけど、もし、要らないものだったらごめんね~」という無責任な姿勢で選ぶことが多いです。逆に言えば、カタログギフトにしようと考える方は、ギフトに対する責任感があるのです。相手に喜んでもらいたい。贈ったものをちゃんと使ってもらいたい。役立ててほしい。そう願うからこその、カタログギフトなのです。

自分で欲しいものを選んで貰うことで、喜んでもらえる。そんな合理的で、実用的なカタログギフトなら、安心して贈ることができる。カタログギフトは、様々なギフトにまつわる不安や悩みを一挙に解決してくれる大発明だと思っています。人気なのも当然です!

カタログギフトのあるべき姿、メーカーに期待する未来像

30年かけて受け入れられてきたカタログギフトは、質の転換期を迎えています。今までは、カタログギフトを初めてもらった人たちがお客様でした。カタログギフトの仕組みに驚き、商品選びを楽しんでもらってきたことでしょう。

一方、「カタログギフトに欲しいものが掲載されていない」という声もよく耳にするようになりました。そうです。もう、カタログギフトの仕組みそのもので訴求する時代は終わったのです。大事なのは中身、内容です。「カタログギフトには欲しいものがたくさん掲載されていて選ぶのに困ってしまう!」と感じさせるくらいが理想的です。メーカーの掲載商品選びには一層力を入れていただきたいですね。

以上はカタログギフトのハード面の話ですが、さらに力を入れてほしいのがソフト面です。良いモノが掲載されているというのは当然として、その良いモノを如何に紹介するかというソフト面の充実をはかっていただきたいのです。カタログという誌面があるわけですから、説明するスペースはあるはずです。なぜ、その商品を選んだのか。その商品を良いとする理由は何か。写真やテキストを使って、思う存分訴求してほしい。

冊子として、雑誌としての魅力が上がれば、カタログギフトを眺める時間そのものが価値あるものとなります。読んで楽しい、選んで嬉しい。「このカタログギフトでは選ばなかったけど、個人的に気になるから、後で購入しよう。」と思わせることができたら、カタログギフトの価値はさらに上がることでしょう。

カタログギフトに選ばれることがステータスになるくらい、魅力的な商品集めができたら大勝利ですね。情報に埋もれがちな現代社会では、多くの人が魅力的な商品を手軽に発掘できる場を求めていますから、挑戦しがいのある目標です。コストはかかりますけど。その分、システム料を値上げするのもアリです。

カタログギフトは安牌とされがちですが、マストバイになる素質はあります。カタログギフトオタクとしては超楽しみにしているので、メーカーさん頑張ってください!